イタリア:旅のスケッチブック

イタリアを旅したり暮らしたりしながら、つれづれに描いたスケッチなど。

カテゴリ:ギリシャ > サントリーニ

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サントリーニ島は切り立った崖の上に町があり、さらに傾斜のある地形に細い路地が続くので荷物の運搬が自動車などではうまくいかないようです。現代では半分観光用、という気配もありましたが、坂道をえっちらおっちら上り下りするロバたちと何度かすれ違いました。

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ザック一つの身軽で気楽な一人旅、唯一の泣き所がゆっくり落ち着いて食事しにくい、ということでした。全体に南欧の食事は料理の皿数があると次の皿が出てくるまでに時間がかかるので、間が持たないのです。いきおい、食事は(お財布事情も相まって)立ち食いのファストフード中心になりがちでした。
1990年代のイタリアにはなぜかケバブスタンドがほとんどなく、ギリシャに来てケバブの美味さを知りました。安くて手軽で野菜もたっぷり、飽きずに食べている内に、ソースの味が店毎に微妙に違うことも分かりました。

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イタリアでも昼食はバールなどでパニーノと呼ばれるハムやチーズのサンドイッチをかじるのが一般的ですが、そもそもイタリアはパンが余り美味しくありません。

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シチリアを旅した時、道ばたで売っていた焼き肉サンド(油で炒めた肉を丸いパンに挟んでレモンを搾って渡してくれます)は出来たてで美味でした。
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スペインのサンドイッチ(ボカディリョ)はフランスパンに近いパンで、イタリアよりボリュームがあるように思います。

一週間、ほとんどケバブを主食にギリシャを旅してまわりましたが、さすがに幾度かは小さなレストランに入ってみました。高い料理は頼まなかったのでギリシャの美食には縁遠いのですが、普通のギリシャ料理も野菜とチーズ、グリルした肉など、なんというかさわやかで健康的なものが多かったと思います…

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こんなスケッチもあります:

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サントリーニ島の別のエリアを訪れてみました。
高台から海を望めば(ほとんどどこからでも見えますが)紺碧のエーゲ海が周囲をかこんでいます。
ふと、イタリア語の学校で見た映画のことを思い出しました。

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現代イタリア映画というと、やはりトルナトーレが筆頭に思い浮かびますが、ガブリエーレ・サルヴァトーレスという監督も傑作を作っており,日本でも一部紹介されています。
邦題では「エーゲ海の天使」というロマンチックなタイトルになっているようですが、サルヴァトーレスの「メディテラーネオ(地中海)」という作品があります。

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第二次世界大戦後期、イタリアはギリシャへ方面も兵を送っていたようですが、あまり精鋭とは言えない小隊が小さなエーゲ海の島に送り込まれます。乗ってきた小さな軍艦が沖で沈没させられ小隊は孤立してしまいますが、島には女性と老人しかいないのどかなところで戦争も戦闘もまったく起きません。
小隊長は島の小さな教会の壁画修復に熱中し、兵隊たちは海辺でサッカーに興じるというユルユルな話なのですが、後半というかエンディングがほろ苦くも美しいストーリーです。

時間がとまったようなギリシャの島で、イタリア人は何を思うのでしょう。

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こんなスケッチもあります:

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アテネの港から船に乗ってサントリーニ島へ渡りました。地中海クルーズなどと言う優雅なものではなくて、夜行の連絡船という感じでデッキか船内のがらんとしたベンチフロアで一泊の旅です。
ギリシャというと古代のイメージしかなかったので、旅の前にギリシャ研究者の方が書いた本など読んではみたものの、古代以降の歴史にも文化にも予習が足りなかったせいか、ギリシャの島々の印象は結局「観光の絵はがきそのまんまだった」というレベルです。

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白い壁に青い海、青いドーム型の屋根が斜面に連なり、サントリーニ島のフィラの町はあまりにも観光ガイドの写真そっくりな風景なので、逆にとっつきがよくないというか、強く印象に残る場面に出会えなかったのが心残りです。

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…たしかに、話に聞いたあのギリシャの島々を目の前にしている、という感慨はあったはずなのですが。

徹底して貧乏旅行だったので、宿はホステル、食事は屋台のケバブサンドが定番でした。

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安いなりに快適だったのですが,今思えばもう少し違う旅のやり方もあったかな、とも思います。

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こんなスケッチもあります:

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