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チューリッヒを訪れたのがいつごろだったか、実は記憶が定かではありません。
ただ、フィレンツェの語学学校の数少ない日本人の友人とともに訪れたのは確かで、友人の一人が銀行マン(イタリアの支店に派遣されたので語学学校にいたのですが、そもそも私より遙かに高い語学力でいろいろと助けてもらいました…)だったので「銀行の町チューリッヒを見よう」となったように覚えています。

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計数に暗い人間なので銀行見物にはつきあいませんでしたが、一緒に訪れた聖母教会のステンドグラスだけは強く印象に残っています。

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この教会のステンドグラスは画家マルク・シャガールによるもので、伝統的なステンドグラスと全く趣が違いながら教会の雰囲気にふさわしいと感じさせる素晴らしいものでした。

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シャガールはロシア領にユダヤ人として生まれ画家として主にパリで活躍し、第二次大戦中はナチスの迫害を逃れアメリカへ亡命していたそうです。
フランスをはじめヨーロッパのあちこちの教会にも作品が残っているそうですが、はじめて油彩画以外の大作を目の当たりにしたのはここチューリッヒでした…

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