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ヴィンチに行くための乗り継ぎで立ち寄った、エンポリの町の教会です。
フィレンツェをはじめトスカーナの教会のデザインによく見られる、白と緑の大理石で彩られたファサードが素敵です。町の絵はがきでも多く取り上げられていました。

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ほんとうに小さな町ですが、これだけ立派な教会があるということは、歴史の中でそれなりに勢力のある時代があったのかもしれません。

エンポリは違う地方出身のイタリア人から「それってどこ?」と言われかねない小さな都市なのですが、あらためて調べてみると、ある理由で意外に知名度があるようです。
それはイタリア人(の男性)が熱狂するサッカーに関わりがあります。

興味のない人にとってはどうでもよい話ですが、イタリア人の多く(特に男性)にとって、自分のご贔屓のチームが勝つか負けるか、リーグの上位か下位かは日々の生活のモチベーションを左右する大きな問題です。
贔屓のチームがあれば宿敵のチームもあり、うっかりすると試合の前後にサポーター同士のトラブルも起きますし、中には家庭内でのもめ事もあるようです。

エンポリのプロサッカーチームは長くカテゴリーの低いリーグで低迷していましたが、徐々に力をつけてAクラスとBクラスのリーグ(セリエA、B〜日本でいうところのJ1、J2)を上下するくらいの中堅チームになっているようです(2018-2019シーズンはセリエA)。
特に有名な選手がいる様子ではありませんが、むしろ2012年から15年まで監督を務めた人がその手腕を評価されてその後ナポリ(かつてマラドーナが所属していた名門です)の監督となり、2018-19年はイギリスの強豪チーム(チェルシー)の監督に抜擢されているとか。

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エンポリ時代の監督
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イギリスのチェルシー監督に就任(2018)

この、マウリツィオ・サッリという監督はもともと銀行(現存する世界最古の銀行、モンテ・ディ・パスキ・ディ・シエナ)勤めをしながらコーチとしてキャリアを上ってきた異色の人だそうです。
ちなみに生まれはナポリで育ちはトスカーナ、ということで、トスカーナ人気質のようですね。

…町の話がサッカーの話になってしまいました。
なおイタリアでは、フォーマルな場所で宗教とサッカーの話題は触れない方が良いといわれています…

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こんなスケッチもあります: