イタリア:旅のスケッチブック

イタリアを旅したり暮らしたりしながら、つれづれに描いたスケッチなど。

2019年02月

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住んでいた家のあるジョニジーニ広場からほど近いところに、不思議な庭園がひっそり隠れていました。
「スティッベルト」とフィレンツェの人が呼ぶ、人気のない、いつ開園しているのかもよく分からない(当時は、イタリアではよくある、改装修復中、ということだったようです)その庭園は、イギリス人とイタリア人の間に生まれたStibbertという資産家の屋敷跡でした。

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Stibbertは世界各地の武具のコレクションを遺していて、公開されている屋敷の中でその一部を見ることができます。「日本の刀もあるよ」と係の人が教えてくれました。

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当時は十分な手入れも行き届いておらず、見学できる範囲も限られていましたが、現在ではかなり充実した屋敷と庭園を見学できるようで、知る人ぞ知る穴場の観光スポットなのだそうです。

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散歩の途中で庭園に入って、エジプト風の東屋がある庭園の池をスケッチしました。

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こんなスケッチもあります:

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その昔、語学学校に通う間お世話になったイタリア人家庭の窓(扉)から小さなバルコニーを望むスケッチです。バルコニーには同じお家に滞在していたドイツ人が帰国の折に残していったお花が咲いています。

フィレンツェだけでなく、トスカーナ地方の窓は観音開き(左右に開く)の開け方に加えて、日よけの鎧戸が下から上に跳ね上げるように開けられるものが一般的なようです。

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フィレンツェ中心部の歴史的な建物の窓となると、よりフォトジェニックなものが沢山あるので「窓の絵はがき」などという面白いお土産も見かけることができます。

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お世話になっていたお家は中心部からバスで15分くらい、歩けば30分ちょっと離れた閑静な地域でした。
料理上手な年配の大家さんは南イタリアのご出身で、本当によくしてもらい、その後もご家族含めて長いおつきあいができました。
色々な国からの留学生の面倒をみていたので、イタリアから出ることなく世界とおつきあいできるイタリア人らしいイタリア人のシニョーラ(ご婦人)でした。

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こんなスケッチもあります:

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アルノ川を渡り、下町の風情を残す細い路地を川に沿って歩いてみると、あるところで急に道が開けて大きな「サン・フレディアーノ門(Porta San Frediano)が見えてきます。

サン・フレディアーノ門は中世から残る都市国家時代の町を守る城壁に設けられた門のひとつですが、その隣にも小さな門がありました。

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初夏の木漏れ日の季節に、何度か散歩がてら訪れたお気に入りの場所の一つです。

サント・スピリト教会界隈からサン・フレディアーノ門につながる道の途中には、サンタ・マリア・デル・カルミネという古く大きな教会があります。
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教会の中には、ルネサンス絵画の先駆けとなった芸術家チマブエの作品も残されているとイタリア語の先生が教えてくれました。
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このエリアには、フィレンツェに長く在住されてイタリアに関する色々な著書を書かれていた日本人のご夫婦がいて、留学時代に大変お世話になったことを懐かしく思い出します。

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こんなスケッチもあります:



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フィレンツェの中心部からポンテ・ベッキオの隣のサンタ・トリニタ橋を越えて、ふたたびアルノ川を渡ります。この町でイタリア語を学んでいる間、毎日通った道でした。
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サンタ・トリニタ橋はポンテ・ベッキオにくらべれば地味な作りで、大戦で破壊されて再建されたことを考えればむべなるかな、というところですが、良いところはポンテ・ベッキオの眺めがとても良い、ということです(名所の真ん中にいては名所がよく見えない、ということでしょう)。

橋を渡って少しだけ進むとフレスコバルディ広場の小さな噴水が三叉路の角に見えてきます。
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噴水の名作だらけのローマに比べると、フィレンツェの噴水は小さくてかわいらしいものが多いような気がしますが、そんな噴水巡りもそぞろ歩きの中で楽しいと思います。

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こんなスケッチもあります:


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