イタリア:旅のスケッチブック

イタリアを旅したり暮らしたりしながら、つれづれに描いたスケッチなど。

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フィレンツェのミケランジェロ広場と言えば、フィレンツェの町並みを一望できる絶景スポットとして観光客がひっきりなしに訪れる名所の一つですが、そこから少し坂道を上っていくと、小さな美しい教会に出会えます。
サン・ミニアート・アル・モンテ教会(Basilica del san miniato al monte)は、「アル・モンテ(山の上)」という名の通り小高い斜面の上にたたずんでいます。
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大聖堂やその隣の洗礼堂、あるいはサンタ・クローチェ教会などにも見られる、白と深緑の大理石を組み合わせた「フィレンツェ的」な教会建築ですが、実はこのサンミニアート教会がその嚆矢(先駆け)と聞きました。ルネサンスより遙か昔の11世紀ころから教会の建築が始まったのだそうです。
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ミケランジェロ広場まではバスや車でもアクセスできますが、この教会はそこから坂道と階段を上らないとたどり着けない(実際には、この近所に住む人たちの使う車道も通っているようですが)せいでしょう、ここまでやってくれば、ほぼいつでも穏やかなひとときと美しい景色を楽しめる素敵な教会です。

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もう一枚、サント・スピリト広場のスケッチです。
ここからピッティ宮殿までは、歩いてものの一、二分ほどです。

ポンテ・ベッキオからピッティ宮殿に繋がる通りこそ毎日観光客で賑わいますが、そこからひとつ裏通りに入ると街の雰囲気は急にもの静かになります。
観光都市フィレンツェといえども普通に生活する人たちが沢山いるわけですが、そこは芸術の都でもあり、このエリアには家具工房、額縁工房、金属工芸の工房などがひっそり並んでいたりしました。
イタリア語学校の先生の中には、こういった職人さんと親しい方もいて、留学生の希望を募って工房見学を企画してくれることもありました。

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サント・スピリト広場の端には小さなトラットリア(レストラン)もありました。 あまり観光的ではないといっても、教会を見学する人や、そぞろ歩きながら一休みしたい人、それに留学生たちもしばしば集まってにぎわっています。
ポンテ・ベッキオの宝飾品同様に、こういった裏通り的なエリアに「メイド・イン・フィレンツェ」のお店が隠れているので、掘り出し物探しにはよいかもしれません。

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アルノ川というのは、ポンテ・ベッキオがかかっている、フィレンツェを流れる川の名前です。
この川が延々、海に面したピサの街(斜塔で有名です)までつながっているそうです。

歴史の古い町は、洋の東西を問わず大きな川のほとりに作られることが多いそうです。
大きな資材を運んだり、貿易を行うために水運の利便が重要だから、と聞きました。
フィレンツェの歴史的建築を飾る白や緑の大理石も、川を経て運ばれてきたのでしょう。

川のこちら側と向こう側、というのは、なんとなく土地の性格を変えるようで、フィレンツェでもアルノ側の向こう側(ピッティ宮殿側)のエリアを「オルトラルノ」と呼んだりします。大聖堂や市庁舎など街の中心となる施設が多い側に比べて、細い路地や生活感のある街路がつながったちょっと下町的な雰囲気があります。

そんな川の向こう側にも隠れた?名所はいくつもありました。
サンタ・トリニタ橋を渡ってすぐ、の広場に面したサント・スピリト教会もその一つです。
大聖堂と同じ、大建築家ブルネレスキの設計したルネサンス期の教会で、シンプルですが特徴的なファサードだけでなく、内部のアーチの連続が美しい教会です。

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この広場には、外観からわかりにくいのですが警察署があったり、イタリア語学学校があったりして、フィレンツェでイタリア語を学んでいる間、ほぼ毎日ここに通っていました。
広場の朝市で、ならいたてのイタリア語を使ってリンゴをおっかなびっくり買ったりしたことを懐かしく思い出します。

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