イタリア:旅のスケッチブック

イタリアを旅したり暮らしたりしながら、つれづれに描いたスケッチなど。

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アマルフィからナポリを素通りしてローマにやってきました。
その昔はじめてイタリアに降り立ったのはローマでしたが、なにしろことばもおぼつかず、右も左も分からなかったので、そのときはひたすらバチカン美術館に逃げ込んで一日を過ごした覚えがあります。

それから多少の月日が過ぎてイタリアにも慣れたので、ローマをゆっくり見物しようと思っていたのですが…

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8月のローマは、正直、南イタリアより暑くて閉口しました。

南部の遺跡や名所巡りでは適当に緑があったり、日陰に事欠くことはなかったのですが,大都会ローマには街路樹はほとんどありません。
ましてや中心部にある古代ローマの遺跡フォロ・ロマーノには照りつける太陽を遮るものなどほとんど残っていないので,早々に退散しました。
町の中も石造りで照り返しが強く、ところどころエアコンの室外機の熱が吹き出しているので想像以上の炎熱地獄、という印象です。
同じ暑いのなら、勝手知ったるフィレンツェの方がまし、とその日のうちに逃げ出してしまいました。

ローマをじっくり歩いて回ったのは、その何年か後のことになりました…

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こんなスケッチもあります:

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南イタリアの外周をぐるっとまわってそろそろ北を目指したのが旅を始めて十日くらいだったでしょうか。
あとすこしでナポリというところまで北上したあたりに、小さな海辺の町アマルフィがあります。

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ほんとうに崖にへばりつくようなちいさな町なのですが、その昔はイタリアの四大海洋国家のひとつとして地中海を股にかけた船乗りの町でした。ベネチア、ジェノバ、アマルフィ、ピサの四つの海洋国家の紋章は現代のイタリア海軍旗にもあしらわれています。

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貿易で栄えた時代の名残は、アマルフィの大聖堂にも見られます。
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ファサード(正面)の装飾も見事ですが、大聖堂の中庭(回廊)は「天国の回廊」と呼ばれる、とても美しくエキゾチズムを感じさせる美しい空間でした。
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後日南スペイン(アンダルシア地方)を旅したときに見た,イスラム様式の影響を受けた中庭と通じる雰囲気があり、当時の交易や戦いを通じてアラブの文化がここにも影響したのでしょう。

いまではカラブリアの海辺の町同様、海水浴と観光避暑の名所でもあり、海に向いた斜面にレモンの木が並ぶ美しい小さな町でした。


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こんなスケッチもあります:

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海岸に沿って走る列車にトコトコ揺られてバシリカータ州からカラブリア州に入り、イタリア半島の「足の裏」の古都クロトーネにたどりつきました。
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ちょうど夏のあいだ、フィレンツェでお世話になったご家族がこの町に滞在していると聞き、再会することができました。
親戚のほとんどがフィレンツェにいるのですがもともとクロトーネのご出身だそうで、言ってみればお盆の里帰りのように夏の間はここに戻るのだとか。
「このあたりは大昔クロトンというギリシャの町だったのよ」と教えてもらい、海の近くに残るギリシャの石柱に案内してくれました。

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その昔ここにも海を望む神殿があったのでしょう。

あらためて調べてみると、紀元前5世紀前後にクロトーネ出身の数学者や解剖学者が古代の著名な出身者としてあげられていました。
古代とは言わないまでも地中海貿易が華やかな時代には今とは違った町だったのでしょう。

ちなみにクロトーネから車でしばらく走ると、Capo Rizzutoというところには海の中にとびだしたお城が残っているそうです。

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おばあさんの実家に泊まっている小学生、というのは日本でもイタリアでもあまり変わらないかんじで、お孫さんとベランダでのんびりすごした一夜の宿でした。
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こんなスケッチもあります:



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